30代後半の私も、猫が大好きで、いつか猫カフェで思う存分猫と触れ合いたいと夢見ていました。しかし、大人になってから突如発症した猫アレルギー。猫と触れるとすぐに目が痒くなり、皮膚には発疹が…。そのたびに「なぜ私だけがこんな目に…」と、猫への憧れとアレルギーの現実に葛藤する日々でした。
「市販のアレルギー薬を飲んでおけば大丈夫だろう」と安易に考えていた私は、ある日、意を決して猫カフェへと向かいました。事前に評判の良い市販薬を飲み、マスクも着用。最初はなんとか平気でしたが、時間が経つにつれて目の奥がジンジンと痛み出し、鼻水が止まらなくなりました。可愛い猫たちが目の前にいるのに、私はひたすらティッシュと格闘。「こんなはずじゃなかった…」 憧れの猫たちを抱きしめるどころか、近づくことさえできない自分に、深い絶望感と後悔が押し寄せました。結局、30分も経たずに店を後にする羽目に。あの時の「もうダメかもしれない…」という孤独感は、今でも忘れられません。
なぜ、市販薬を飲んだのに症状が悪化したのでしょうか？猫アレルギーの原因は、猫の毛だけでなく、フケや唾液に含まれるタンパク質「Fel d 1」が主なアレルゲンです。これらは非常に小さく、空気中に長時間漂い続けるため、マスクだけでは完全に防ぎきれません。市販のアレルギー薬は、症状を一時的に抑える対症療法であり、アレルゲンの侵入をブロックするわけではないのです。
この失敗の後、私は薬剤師の友人である美咲に相談しました。彼女は私の話を真剣に聞いてくれ、こう言いました。「ねえ、市販薬はね、あくまで症状を『和らげる』ものなの。アレルギーの症状って、人それぞれ重さも違うし、体調によって変わるから、一概に『大丈夫』とは言えないのよ。」美咲は、市販薬はアレルゲンに触れる数時間前の服用が効果的だが、どんなに強い薬を飲んでも、アレルゲン量や体調によっては症状が出る可能性があると教えてくれました。そして、「アレルギーで本当に安心したいなら、まずはアレルギー専門医に相談するのが一番」と強く勧めてくれたのです。「もっと早く相談していれば…」 心の中でそう呟きました。
美咲のアドバイスを受けて、私はすぐにアレルギー専門医の診察を受けました。血液検査の結果、やはり重度の猫アレルギーであることが判明。医師からは、私のアレルギーレベルに合わせた処方薬と、具体的な対策について詳しく説明を受けました。
1. 専門医による正確な診断と処方薬:
- 市販薬よりも強力で、副作用が少ない処方薬（抗アレルギー剤、点眼薬、点鼻薬など）を処方してもらいました。
- 体質改善を目指す「アレルゲン免疫療法」についても説明を受け、長期的な選択肢として検討することに。
2. 猫カフェ選びのポイント:
- 換気の良い店を選ぶ: 空気中のアレルゲン濃度を下げるため、換気システムがしっかりしているかを確認。
- 清潔な環境か確認: 定期的な清掃や、猫のブラッシングが徹底されているか。
- 触れ合う時間を制限する: 最初は短時間から始め、徐々に慣らしていく。
- 入店前後の対策: マスク、手洗い・うがい、上着の着用、猫を触った後はすぐに手洗い・消毒。
3. 万が一に備える:
- 処方された薬は常に携帯し、症状が出た時にすぐに服用できるようにする。
- 重篤なアレルギー反応の兆候を知り、もしもの場合はすぐに医療機関を受診する準備をしておく。
これらの対策を実践した結果、私は再び猫カフェに挑戦。今回は、以前のような苦しい症状に悩まされることなく、穏やかな気持ちで猫たちと触れ合うことができました。「やっと、本当の安心を手に入れたんだ…！」 目尻にじんわりと温かいものがこみ上げてきました。
| 項目 | 市販薬のみで猫カフェに挑戦 | 専門医の診断と対策を併用して猫カフェに挑戦 |
|---|---|---|
| 症状の抑制 | 一時的で限定的。悪化する可能性大。 | より強力で持続的な効果。症状発生リスクを大幅軽減。 |
| 安心感 | 不安や後悔が残る。心から楽しめない。 | 専門知識に基づき、精神的な安心感が大きい。楽しんで触れ合える。 |
| 根本的な解決 | なし。対症療法のみ。 | 診断によりアレルゲン特定。免疫療法など根本治療の選択肢も。 |
Q1: 市販薬を飲めば、アレルギー症状は完全に抑えられますか？
A1: 残念ながら、完全に抑えることは難しい場合が多いです。市販薬は症状を緩和する対症療法であり、アレルゲンの侵入自体を防ぐものではありません。アレルゲン量が多い環境や、体質によっては効果が限定的です。薬剤師の美咲によると、「市販薬はあくまで一時的なサポートと考え、過信は禁物よ」とのことです。
Q2: 猫カフェに行く際、市販薬はどのタイミングで飲むのが効果的ですか？
A2: 一般的には、アレルゲンに触れる数時間前、具体的には猫カフェに行く2〜3時間前の服用が推奨されています。
Q3: 猫アレルギーでも楽しめる猫カフェの選び方はありますか？
A3: 換気が良く、清潔な環境を保っている店舗を選ぶことが重要です。アレルギー対策を明示している店舗を選ぶのも良いでしょう。
猫アレルギーがあっても「猫と触れ合いたい」というあなたの気持ち、痛いほどよくわかります。私自身も同じ経験をしてきたからこそ、市販薬だけで安易に猫カフェへ行くことの危険性を身をもって知りました。しかし、諦める必要はありません。
大切なのは、自分のアレルギーと真剣に向き合い、正しい知識と対策を身につけることです。まずはアレルギー専門医に相談し、自分に合った処方薬と具体的な対策を知ることから始めてみませんか？そうすればきっと、あなたも私のように、心から「本当の安心」を感じながら、猫と触れ合う喜びを体験できるはずです。
この記事を書いた人
田中 由美 | 30代後半 | 暮らしと健康のwebライター
元々猫好きだが、大人になってから猫アレルギーを発症。市販薬で猫カフェに挑戦し失敗した経験から、アレルギー専門医や薬剤師の友人（美咲）に相談し、正しい知識と対策の重要性を痛感。現在は、自身の経験を活かし、同じ悩みを持つ人たちが安心して暮らせるための情報発信を行っている。週末は、猫カフェで短時間だけ猫と触れ合うのが密かな楽しみ。
