朝5時、耳元で「ニャーニャーニャー!」と鳴き声で目が覚めた。
「まだ寝たい…あと1時間だけ…」
布団にしがみつくと、今度は顔に肉球がグイグイ押し付けられる。無視を決め込むと、枕元のスマホを床に落とす音。「コンッ」。
「…わかったよ」
諦めて起き上がると、尻尾をピンと立てて満足げにキッチンへ向かう後ろ姿。完全に訓練されているのは、猫じゃなくて私の方だった。
でも、ご飯を食べ終わった猫が、私の膝に乗ってゴロゴロ喉を鳴らす瞬間、「ああ、これでいいんだ」と思ってしまう。
猫との暮らしは、予測不可能で理不尽で、時に孤独で、でも愛おしい。「これって私だけ?」と不安に思っていた日常が、実はみんな経験している「あるある」だと知った時、猫飼い人生がもっと楽になった。
この記事では、笑えるエピソードから、誰にも言えなかった悩みまで、猫飼いならではの日常を本音で綴ります。
朝のルーティンあるある:猫が決める起床時間
1. 人間の目覚ましより早い「猫アラーム」
目覚まし時計の30分前、必ず起こしに来る。
「ニャー」「ニャーニャー」と鳴きながら、顔を前足でちょんちょん。まだ4時45分。外はまだ暗い。
「お願い、もうちょっとだけ…」と心の中で懇願しても、猫は容赦ない。今度は鼻息を「はっは、はっは」と顔に吹きかけてくる。生暖かい息が頬に当たる感触で、完全に目が覚める。
仕方なく起きてご飯をあげると、一口食べて満足して去っていく。「え、それだけ?」と呆然とする私を残して。
これが毎日。でも、休日の朝も容赦なく起こされるのが猫飼いの宿命です。
2. 「ご飯まだ?」攻撃の激しさ
ご飯の時間が近づくと、足元にまとわりつき始める。
台所に立てば、足元をぐるぐる回って進路妨害。冷蔵庫を開ければ、中を覗き込もうとする。「まだだよ、あと5分」と言っても、「ニャーニャー!」と訴える声は大きくなる一方。
給餌器を導入したこともある。「これで自動化できる!」と思ったのに、猫は給餌器の前で私を呼ぶ。「出たよ、そこにあるよ」と指差しても、「あなたの手から食べたい」と主張するような目で見つめてくる。
結局、私が手で器に移し替えるまで待つ。自動化の意味、ゼロです。
在宅ワークあるある:仕事を邪魔するプロ
3. キーボードが猫の指定席
パソコンで作業していると、必ず来る。
キーボードの上にドーン。温かくて、飼い主の注目が集まる場所。猫にとっては最高の居場所らしい。
「今、大事な会議中なんだけど…」という心の叫びも虚しく、画面共有中に「jjjjjjjkkkkk」と謎の文字列が表示される悪夢。同僚には「猫が乱入しました」と毎回謝る日々。
作業用に猫ベッドをデスクの横に置いても、見向きもしない。猫が選ぶのは、いつも「今、使っている場所」なんです。
4. オンライン会議の「猫爆弾」
ビデオ会議中、カメラの前を横切る茶色い影。
「あ、すみません、猫が…」と謝ろうとした瞬間、画面いっぱいに映る猫のお尻。肛門が画面中央に鎮座する地獄の3秒間。
「かわいい!」と言ってくれる同僚に救われるけど、真面目なプレゼン中にこれをやられると、冷や汗が止まらない。
イヤホンのコードを噛みちぎろうとする物理攻撃も日常茶飯事。「痛い!」と叫びたいのを我慢して、画面越しには笑顔を保つ高度なスキルが身につきました。
5. モニターの前に立ちはだかる
「見て」と言わんばかりに、モニターの真正面に座る。
しかも、一番集中している時に限って。画面が完全に遮られて、作業が中断される。どかそうとすると、一瞬だけ移動して、また戻ってくる。
「構ってほしいのは分かるけど…今だけは…」と心の中で懇願しても、猫は動じない。
最終的に諦めて、猫を撫でながら片手でタイピングする器用さを習得する羽目に。
睡眠あるある:ベッドは猫のもの

6. 「猫アンカー」で身動き取れない
布団に入ると、猫が足の間に入ってくる。
重い。でも温かい。そして、これが問題なのだけど、寝返りが打てない。
「動いたら起きちゃう」と思って、変な体勢のまま固まる。朝起きたら、体がバキバキ。首も腰も痛い。
でも、猫が気持ちよさそうに寝ている姿を見ると、「まあ、いっか」と思ってしまう自分がいる。これが猫飼いの自己犠牲精神です。
7. 深夜の大運動会で叩き起こされる
午前2時、突如として始まる轟音。
「ドタドタドタドタ!」
廊下を全力疾走し、カーテンを駆け上がり、家具の上を飛び移る。何もない空間に向かって飛びかかり、泡を吹きながら狂ったように走り回る。
「明日、朝早いのに…」と思いながらも、そのエネルギーに圧倒されて、結局微笑んでしまう飼い主。
翌朝、「昨夜の地震、すごかったね」と隣人に言われて、「それ、うちの猫です…」と申し訳なく頭を下げる。これが猫飼いの日常です。
8. ベッドのど真ん中を占領される
ダブルベッドでも、猫は幾何学的に「中央」を見つける天才。
私はベッドの端っこで、「く」の字になって寝る。猫様は、堂々と中央で手足を伸ばして爆睡。
「これ、誰のベッドだっけ?」と思いながらも、猫を起こすなんて選択肢は、猫飼いには存在しない。
9. 「ごめん寝」の破壊力
顔を床に押し付けて寝る姿を見つけた時の衝撃。
「苦しくないの?」と心配になるけど、猫は全く気にしていない様子で爆睡。その「反省してるような可愛さ」に、思わずカメラを構える。
写真フォルダが「ごめん寝」だらけになるのも、猫飼いあるあるです。
プライバシーゼロあるある:常に監視されている
10. トイレについてくる
トイレのドアを閉めると、「ニャー!」と叫ぶ。
ドアの隙間から手を差し入れて、開けようとする。仕方なく開けると、入ってきて座る。そして、じっと私を見つめる。
「何?」と聞いても、ただ見てるだけ。用を足している間、ずっと視線を感じます。
専門家によると、これは「無防備な飼い主を守ろうとしている」らしいけど、正直、落ち着かない。
11. お風呂場を覗き込む
浴槽に浸かっていると、ドアの隙間から顔を出す。
「溺れてない?大丈夫?」と心配そうに覗き込む猫。可愛いけど、リラックスできない。
「大丈夫だよ、ありがとう」と声をかけても、納得しないのか、ずっと見張っている。
猫を飼うと、「一人の時間」という概念が消失します。
12. 残り湯を飲みたがる
新鮮な水を用意しているのに、なぜかお風呂の残り湯を飲みたがる。
浴室の扉を開けた瞬間、猛ダッシュで浴槽に向かい、フチに手をかけて残り湯をペロペロ。
「そっちの水の方が美味しいの…?」と不思議に思いながらも、止められない。
13. トイレの後、猛ダッシュで報告に来る
排泄を終えた猫が、全力で走ってくる。
「やったよ!」と報告に来る「うんこダッシュ」。砂を撒き散らしながら走り回り、最後は満足げに私の足元に座る。
「はい、ありがとう」と応えて、静かに掃除に向かうのが飼い主の務めです。
経済観念崩壊あるある:猫の価値観は謎
14. 高額ベッドよりダンボール
5,000円のベッドを買ってきた。ふかふかで、可愛いデザイン。
でも、猫が選んだのは、そのベッドが入っていた「ダンボール箱」。
「…そっちかよ」と脱力しながら、ダンボール箱の中で満足そうに寝ている猫を見つめる。高級ベッドは、いつしか私の荷物置き場になりました。
15. おもちゃより包装材
猫用おもちゃ、3,000円。
でも、猫が夢中になっているのは、その商品を縛っていた「ビニール紐」と「ダンボールの切れ端」。
「ねえ、こっちのおもちゃ、高かったんだけど…」と言っても、見向きもしない。
家の中に「捨てられないゴミ(猫のお気に入り)」が増殖していきます。
16. ティッシュ祭りの開催
ティッシュ箱から、全ての中身を引き出して部屋中に散乱させる。
帰宅したら、リビングが真っ白な雪景色。「またか…」とため息をつきながら、片付ける私。
でも、満足そうな猫の顔を見ると、怒れない。それが猫飼いの性です。
17. クリスマスツリーは巨大なおもちゃ
クリスマスツリーを飾った翌朝、なぎ倒されている。
オーナメントは全て床に散乱。猫は何食わぬ顔で毛づくろい。
「あんた、やったでしょ…」と問い詰めても、知らんぷり。
結局、ツリーの設置を諦めるか、天井から吊るすという力技に出るしかありません。
18. ビニール袋への異常な執着
スーパーのビニール袋を舐め続ける。
カサカサという音に反応して、トランス状態で舐めている猫。「そんなに美味しいの?」と不思議に思いながら、あまりに舐めすぎるので取り上げる。
すると、「返せ!」と言わんばかりに抗議の鳴き声。ビニール袋が、猫にとっては極上のエンターテインメントらしいです。
感覚の倒錯あるある:猫を吸う飼い主たち
19. 「猫吸い」が止められない
猫のお腹に顔を埋めて、深呼吸。
「ふわぁ…いい匂い…」
お日様の匂い、干した布団の匂い。これが「猫吸い」。飼い主にとっては最高の癒し。
でも、他人には絶対に言えない秘密の儀式です。
20. 肉球が「ポップコーンの匂い」
猫の肉球を嗅ぐと、なぜか香ばしいポップコーンの匂いがする。
「なんでこんな匂いするの?」と不思議に思いながら、ついつい嗅いでしまう。科学的には、常在菌と汗が混ざった匂いらしいけど、飼い主にとっては至高のアロマ。
肉球を嗅ぐために、寝ている猫の足をそっと持ち上げる飼い主の姿は、傍から見たら完全に変態です。
21. 額の匂いが甘い
猫の額を嗅ぐと、甘い匂いがする。
焼き立てのパン、ミルクのような優しい香り。これが最も「吸いやすい」部位として、猫飼いの間で人気。
猫に「何してるの?」という顔をされても、やめられない。
22. お尻を突き出されて困惑
リラックスしている時、顔の前にお尻を突き出してくる。
肛門が目の前に。「うわっ…」と思う反面、「信頼されてる証拠だ」と複雑な気持ち。
専門家によると、これは猫の挨拶で、「敵意がない」というメッセージらしい。理屈は分かるけど、朝起きて一番に見るものがこれだと、ちょっと複雑です。
23. フレーメン反応で爆笑
猫が靴下の匂いを嗅いだ直後、口を半開きにして固まる。
「え、そんなに臭かった?」と傷つきながらも、その変顔に爆笑してしまう。
実際には、フェロモンを分析している真剣な表情らしいけど、見た目は完全に「あまりの臭さにショック」。自分の足の匂いで猫に変顔させる屈辱と愛おしさの同居。
物理法則あるある:猫は液体であり個体でもある
24. 「猫は液体」説の証明
小さな箱に、みちみちに詰まる猫。
鍋、ティッシュ箱、洗面器…どんな容器にも、液体のように形を変えて収まる。「頭さえ通れば、体も通る」という猫の物理法則。
夏場には、床に溶けたように伸びる「溶解現象」も観測されます。
25. ジャンプの失敗を誤魔化す
キャットタワーからのジャンプに失敗して、着地に失敗。
「ドスン!」という鈍い音とともに、床に転がる猫。でも、すぐに立ち上がって何事もなかったかのように毛づくろい開始。
「今の、失敗だったよね?」とツッコミたくなるけど、猫のプライドを傷つけないように、見なかったフリをするのが優しさです。
26. 虚空を凝視して飼い主を怖がらせる
何もない壁を、じっと見つめる猫。
「そこに…何かいるの?」と不安になる飼い主。真夜中にこれをやられると、マジで怖い。
実際には、人間には聞こえない高周波音を聞いているだけらしいけど、ホラー映画のワンシーンみたいで心臓に悪いです。
生活習慣あるある:猫中心の人生
27. 服が毛だらけ
黒い服は着られない。粘着ローラーが手放せない。
外出前に必死で毛を取り、職場で「猫飼ってます」とバレる日常。
もう諦めて、猫の毛が目立たない色の服ばかり着るようになりました。ファッションより、猫を優先する人生です。
28. 旅行に行けない
「猫、大丈夫かな…」
旅行中もスマホで見守りカメラをチェック。ペットホテルに預けても、「寂しがってないかな」と心配で楽しめない。
結局、日帰りか一泊が限界。猫を飼う前は、もっと自由だったはずなのに。
29. 多頭飼いで名前を呼び間違える
「タマ…じゃなくて、ミケ…あれ、ポチ?」
3匹いると、とっさに名前が出てこない。全員の名前を続けて呼んでしまう現象も頻発。
でも、猫たちはマイペースに、呼ばれても無視。
30. インテリアの荒廃を受け入れる
ソファはボロボロ。壁紙は爪とぎでズタズタ。
「もう諦めた」と開き直って、高価な家具は買わなくなる。猫が快適なら、それでいい。それが猫飼いの境地です。
ツンデレあるある:振り回される日々
31. 呼んでも来ないのに、放っておくと来る
「おいで〜」と呼んでも、プイッと顔を背ける。
「そっか、今は気分じゃないんだね…」と諦めて本を読み始めると、いつの間にか膝の上に乗っている。
このマイペースさに、毎日振り回されています。
32. 撫でてたら突然噛まれる
気持ちよさそうに目を細めていたから、撫で続けていたら、突然ガブッ。
「え、今、喜んでたよね?」と困惑。これが「愛撫誘発性攻撃行動」というらしい。
「もう十分」のサインらしいけど、予測不能な野性に翻弄されるのも、猫の魅力です。
33. 抱っこは猫のタイミングでしか許されない
こちらが抱っこしたい時は、全力拒否。
でも、猫の気分次第で、突然膝に乗ってきたり、肩に登ってきたりする。しかも、重要な用事がある時に限って、膝から降りない。
「トイレ行きたいんだけど…」と思いながら、猫が起きるまで動けない。これが猫飼いの宿命です。
34. 名前を呼んだら尻尾の先だけ返事
「タマ〜」と呼ぶと、尻尾の先が「パタン」と一回動くだけ。
顔も向けない。完全に無視。でも、この「最低限の反応」が、猫飼いにとっては十分な返事。
「返事してくれた!」と喜ぶハードルの低さ、それが猫飼いです。
経済的あるある:猫のために財布が軽くなる
35. 猫用品の出費が止まらない
「これ、可愛い」「これ、便利そう」
気づくと、カートが猫グッズで溢れている。おもちゃ、爪とぎ、ベッド、キャットタワー、自動給餌器、見守りカメラ…。
自分の服は買わないのに、猫のおもちゃは即決です。
36. 動物病院の支払いで躊躇しない
「ちょっと元気がないかも…」と思ったら、すぐに病院へ。
診察代、検査代、薬代…合計が数万円になっても、「猫の健康には代えられない」と即支払い。人間の自分は病院を我慢するのに。
37. 医療費の上限を決められない恐怖
「いくらまで治療するか、事前に決めておいた方がいい」
獣医師の言葉が頭に残る。でも、瀕死の愛猫を前にして、冷静な計算なんてできない。
「お金があれば助かったかもしれない」という後悔も、「無理な延命で苦しませた」という後悔も、どちらも重すぎる。
どの道を選んでも、正解のない問いに苛まれ続けるのが、猫飼いの宿命です。
38. 猫のご飯はグレード上げて、自分は節約
「プレミアムフード、少し高いけど…健康にいいなら」
一方、自分の昼食はコンビニのおにぎり。猫様は上質なご飯、私はお手頃価格。これが猫飼いの経済バランスです。
孤独あるある:単身者の切実さ
39. 猫が唯一の家族
一人暮らしの部屋で待っている猫は、「家族」以上の存在。
「生きる意味」そのもの。でも、この関係性が密になればなるほど、社会的な孤立も深まる。
「猫が待っているから」と、残業や飲み会を断り、休日は家から一歩も出ない日々。
40. 「たかが猫でしょ」という言葉の暴力
職場で猫の介護の悩みを話しても、「たかが猫でしょ」と言われる。
「また新しいのを飼えばいい」という無理解な言葉に、深く傷つく。この孤立感が、さらに猫への依存を深める。
猫の重さを理解してくれる人が、周りにいないという孤独。
41. 「自分に何かあったら、この子はどうなる?」
一人暮らしの最大の恐怖は、自分が急死した時のこと。
「飢えと脱水で、緩慢な死を迎えることになる」という想像が、頭から離れない。親族や友人に引き取り手がいない場合、保健所で殺処分される可能性も。
「自分の死が、愛猫の死刑宣告になる」という恐怖が、常に心の隅にあります。
老猫介護あるある:美化されない現実
42. 夜泣きで睡眠不足の限界
15歳を超えた老猫の夜泣きは、若い頃の可愛い鳴き声とは違う。
「ぎゃあ、ぎゃあ〜!」という、断末魔のような大音量。午前3時、4時、5時と刻むように叩き起こされる。
認知症か、甲状腺機能亢進症か。理由は色々あるけど、慢性的な睡眠不足で、自分の血圧が急上昇する。
「もう限界…」と思いながらも、深夜に猫を抱っこして部屋を歩き回る。これが老猫介護の現実です。
43. 排泄管理の破綻と尊厳の喪失
トイレの外で粗相をするようになった。
カーペット、布団、畳に染み込む猫の尿。アンモニアとチオールの複合臭が、部屋中を支配する。仕事から疲れて帰宅して、発見される水たまり。
「またか…」とため息をつきながら、深夜の洗濯と消臭。
でも、怒ってはいけない。猫も辛いのだと、自分に言い聞かせる日々。
44. 「愛しているが憎い」という禁断の感情
極限状態で、「うるさい」「いい加減にしてくれ」という暗い感情が湧く。
その直後に、激しい罪悪感。「こんなこと思う自分は、最低だ」と自己嫌悪。
愛情と憎悪のアンビバレンス。これを経験して初めて、本当の「共苦」を知りました。
死と喪失あるある:美化されない別れ
45. 死戦期呼吸の壮絶さ
最期の瞬間、猫は大きく口を開けて、ガクッガクッと息を飲み込もうとする。
「苦しんでる…」と思って、何もできない無力感に打ちひしがれる。眼は見開かれ、舌がだらりと口から垂れる。
「安らかな眠り」とは対極の、生物学的な死の瞬間。
46. 安楽死を選ぶ罪悪感
「もう治らない」と頭では理解していても、「明日には少し良くなるかもしれない」という希望が決断を鈍らせる。
獣医師から「安楽死も選択肢」と告げられた瞬間、自分が命の裁判官になる。
「私が殺したのでは」という罪悪感は、一生消えません。
47. 「ホッとした」という禁忌の感情
長い介護の末に猫が亡くなった時、悲しみと共に、「やっと終わった」という安堵感が湧く。
「今夜から眠れる」と思った瞬間、「愛する家族の死を喜んでいるのか」と激しい自己嫌悪。
この「安堵と罪悪感のループ」は、純粋な悲しみよりも複雑で、回復を遅らせます。
48. ペットロスで幻覚を見る
猫が死んだ後も、フローリングを歩く爪の音が聞こえる。
鈴の音、鳴き声。視界の隅に、猫の影が横切る。「そこにいる気がする」という感覚が、何ヶ月も続きます。
49. 「たかが猫」と言われる社会的孤立
忌引き休暇も取れず、「いつまでメソメソしているんだ」と言われる。
ペットの死は、人間の家族の死と同等には扱われない。この無理解が、悲しみを「公認されない悲嘆」として封じ込めます。
それでも愛する理由:幸せの瞬間
50. 布団に入ってくる重みと体温
夜寝る時、布団の中に入ってくる猫の、ずっしりとした重みと体温。
「ここにいてくれる」という実感。これが、最も幸せな瞬間。
51. 自分の手からご飯を食べてくれる時
小さな咀嚼音。手の平に感じる猫の息。
「私を信頼してくれている」と感じる、何物にも代えがたい喜び。
52. ゴロゴロ音で全てが許される
膝の上で喉を鳴らす音。この振動が、疲れた心を癒してくれる。
どんなに理不尽な目に遭っても、このゴロゴロ音で全て許してしまう。それが猫の魔力です。
53. 猫のいない人生は考えられない
大変なこともあります。お金もかかります。自由も減ります。
でも、それを全て上回る幸せを、猫は与えてくれます。振り回されているのに、なぜか幸せ。それが、猫飼い人生です。
最後に:共苦という名の愛
猫との暮らしは、排泄物、金銭、老い、そして死という、生の最も泥臭い側面と向き合う営みです。
でも、だからこそ、真の「絆」が生まれる。
夜泣きで睡眠を奪われ、排泄物を処理し、高額な医療費を払い、それでもなお、その小さな命を守ろうとする。この「痛みの共有」こそが、猫飼いが語る「愛」の正体です。
「そこまでして生かしたい存在」「自分を必要としてくれる存在」としての猫の価値を、苦難が証明してくれる。
猫は私たちに、「コントロールできないものを愛すること」を教えてくれます。思い通りにならない相手を、それでも愛し続けること。
もし今、「これって私だけ?」と悩んでいる猫飼いさんがいたら、伝えたいです。
あなたの「あるある」は、世界中の猫飼いが共有している「愛の証」なんだと。
だから、安心して猫に振り回されてください。そして、その幸せを存分に味わってください。
老猫介護が過酷でも、夜泣きで眠れなくても、お金がかかっても。それらは全て、「この子と出会えた証」です。
猫との暮らしは、人生で最高の冒険です。
この記事が、あなたの猫ライフの支えになれば幸いです。今日も、愛猫との素敵な時間をお過ごしください。
